遺言書を作れるのは誰でしょうか?
未成年や成年被後見人・被保佐人の場合は遺言書を作ることはできますか?
また、耳がきこえなかったり、口がきけなくても公正証書遺言を作成することはできますか?
遺言は、遺言者の生前の意思を最大限尊重するための制度です。遺言書を書くか書かないか、どのような内容の遺言を残すのか。 これらはすべて自分で決めることができます。
民法には遺言書を書ける人の範囲が広く定められていますので、順に解説していきたいと思います。
未成年者の場合
20歳未満の未成年者は、契約などの法律行為を行うには法定代理人(親)の同意が必要になります。
しかしながら、遺言においては15歳以上であれば一人で遺言を作成することができます。
遺言書の作成については法定代理人(親)の同意は要りません。
逆に言うと、未成年者であれ、遺言は一身専属的な行為ですので、他人が代理して行うことはできませんので注意して下さい。
従いまして、親が子の遺言を代わって作成することもできません。
成年被後見人の場合
精神上の障害によって、常時、判断能力に問題ある人(判断能力が欠けているのが通常の状態)を「成年被後見人」と言います。
成年被後見人は、家庭裁判所が後見開始の審判というものを行い、「成年後見人」を選任します。
後見開始の審判を受けた成年被後見人は、通常の財産取引(不動産の売買など)はできなくなりますので、取引全般は成年後見人が代理で行うことになります。
このように、一般の財産取引ができない成年被後見人も、以下の場合は、遺言を残すことができます。
| 成年被後見人の判断能力が一時的に回復している場合 | 2人以上の医者が立ち会い、立ち会った医者が、遺言書作成時点において遺言者が判断能力に問題がなかったことを遺言書に付記し、署名捺印することで有効な遺言書となります。 ただし、現実的には成年被後見人が遺言を作成することは難しいと言えるでしょう。 |
|---|
被保佐人の場合
精神上の障害によって、判断能力が著しく不十分な人のことを「被保佐人」と言い、簡単にご説明しますと、前述の成年被後見人よりは若干症状の軽い人をいいます。
被保佐人についても家庭裁判所で保佐開始の審判がなされ、「保佐人」が選任されます。
保佐人については、遺言をすることについて、特に制限はありませんので、遺言を残す能力がある以上、自由に遺言書を作成することができます。
成年被後見人の場合と異なり、医者の立ち会いも必要ありません。
口がきけない方が公正証書遺言を残す場合
公正証書遺言を作成する場合、遺言者が公証人に遺言の内容を話さなければなりません。
口がきけない人が公正証書遺言を残すには、遺言者が公証人とその証人2名の面前で、遺言の趣旨及び内容を、通訳人の通訳により伝えるか、 または自書(自分で書くこと)することで、口授に代えることができます。
耳が聞こえない方が公正証書遺言を残す場合
公正証書遺言を作成する場合、公証人が筆記した遺言書の内容を、遺言者に「読み聞かせる」ことが必要になります。
耳が聞こえない人が公正証書遺言を残すには、筆記した内容を通訳人の通訳により、遺言者に伝えることで、「読み聞かせに代える」ことができます。
また、公証人が筆記したものを「閲覧」することによっても公正証書遺言を作ることが可能です。
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